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こんにちは。
自律神経を研究・治療している黄相哲院長です。
子供の頻繁な尿失禁、小児頻尿、夜尿症で来院される親御さんは、ほとんど同じようなことを言われます。
“叱ってはいけないと思うのですが、どうしても焦ってしまいます。”
ご両親のその気持ち、十分理解できます。
しかし、子供の排尿の問題は決して躾や意志の問題ではありません。
ほとんどは、子供の体と神経がまだ排尿のコントロールを学ぶ過程で現れるサインです。
子供自身も一番困惑し、つらい症状は尿失禁です。
この問題をどのように捉え、どのようにアプローチするかによって、子供の回復速度は大きく変わります。
子供の排尿問題はなぜ起こるのでしょうか?
子供の排尿は膀胱だけの機能ではありません。
脳、自律神経、骨盤底筋、心理状態が一緒に協力することでスムーズに調節されます。
まだこのシステムが完全に成熟していない子供たちは
排尿のサインを感じても
脳が「今は我慢してもいい」と調節する前に、尿が漏れてしまうことがあります。
これはわざとそうするのではなく
体がまだ排尿のコントロールを学んでいる最中ということです。
特に5歳前後の子供にこのような現象は非常によく見られます、
すべての子供が同じスピードで成長するわけではありません。

親が最も見逃しがちな原因、子供の体型と姿勢の変化
診療室で子どもたちをよく観察してみると
背中が曲がっていたり、骨盤が前に出ている姿勢をしている場合が案外多いです。
このような体型は、骨盤底筋と下腹部の筋肉を常に緊張させ、
その内側に位置する膀胱にも圧迫を与えることになります。
その結果、膀胱神経が敏感になり
尿の信号が実際よりも頻繁に、より緊急に伝わることがあります。
このようなお子さんの場合
薬より先に姿勢矯正や体型管理が治療のスタートとなる場合が多いです。
漢方治療はどのようにアプローチするのか
漢方では主に薬物治療と行動療法を併用します。
抗利尿ホルモン剤や膀胱コントロール薬は
症状をすばやく緩和するのに役立ちます。
しかし、薬は膀胱を過敏にする根本原因、
つまり神経の緊張や体型の問題まで解決することはできません。
そのため、治療期間が長くなったり
薬を中止すると症状が再発することも少なくありません。
アラーム行動療法は副作用の少ない方法ですが
子供の緊張度が高い場合には適用が難しい場合があります。
漢方医学では、子供の排尿の問題をこのように捉えています。
漢方ではまず神経学的な異常の有無を確認します。
脊髄や中枢神経の問題であれば、治療の方向性は全く異なります。
しかし、ほとんどの子供は機能的な問題に該当します、
この場合、漢方医学的なアプローチで十分な改善が期待できます。
臨床では、子どもの状態を大きく2つのタイプに分けて考えます。

交感神経が過度に敏感な子供たち
このタイプの子供は、小さな刺激にもすぐに緊張反応が現れます。
少し怒られただけですぐに尿意を感じたり
ストレスを受けると症状が悪化する傾向があります。
この場合、膀胱そのものよりも
神経系の緊張を先にほぐすことが重要です。
下腹部と臀部、仙骨部分の緊張を緩和し
自律神経を安定させる方向に治療を進めます。
体力と成長エネルギーが不足している子供たち
この子たちは全体的に体力が弱く
成長速度が遅い場合が多いです。
膀胱の貯蔵力が十分に発達していないため
水を少し飲んでもトイレに頻繁に行き
夜間に尿失禁を繰り返すこともあります。
この場合、膀胱機能だけでなく
子供の成長エネルギーや免疫力まで一緒に引き上げるアプローチが必要です。
親の態度が子供の治療の半分です
小児の排尿障害で最も重要な要素は
子供の心理状態です。
怒られたり、恥ずかしさを感じると
子供の自律神経はさらに緊張し
症状はむしろ悪化しやすくなります。
“大丈夫、君の体は学んでいる途中だよ。”
この一言が、子供の神経系を一番早く安定させます。
子供の排尿の問題は
子ども自身が一番悩んでいる問題です。
理解され、保護された瞬間
子供の体は、より早く回復の方向に動き始めます。
おわりに
子供のおしっこの失敗は
躾の失敗ではなく、成長の過程です。
叱るより
原因を探り、体のサインを理解し
子供のペースに合わせて助けてあげれば
回復は必ず可能です。
もし今、お子さんの排尿の問題で悩んでいるのであれば
一人で抱え込まないで
お気軽にご相談ください。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お子さんも親御さんも
少しでも気持ちが楽になるように一緒に頑張ります。